二日目のトライアルは、初日より遙かに順調と言えた。
「…ふぅ〜。だいぶ…走れるようになった…」
荒れ地をマリンのSWが大きな音を立てて駆けて行く。
三人の中で一番成績が悪かったマリンも、要領は良いのですぐに順応することができた。
そして、烈火とホーリーは新たな段階に進もうとしている。水中での機動性、耐圧性のテスト。
「大丈夫か?隙間から水が入ってきたらどうするよ」
最初はやる気満々だったホーリーだが、いざ海の中へ飛び込もうともなると、そんな不安がよぎる。
「スペック通りなら、水深五千メートルまで耐えられる。問題は無い。もっとも、試作機に欠陥はつきものかもな」
「その最後の言葉、フォローになってねぇじゃん…」
「なら行くの止めるか?俺一人でテストしても良い」
「お前のドラグーンとやらでテストしても仕方ないだろ…。行くぜ!」
ホーリーは、生身で海に飛び込むわけでもないのに、大きく息を吸い込んだ。そして、漆黒の海に機体を飛び込ませた。
「………」
目の前には真っ暗な光景しか広がらない。そこに生物が居るわけでも無く、孤独感がホーリーを包もうとする。
「……と」
レーダーを頼りに、ホーリーは機体を海底に着地させた。レーダーで、後方に烈火の機体が確認できる。
「…ん?烈火?」
「どうした」
「今、レーダーにもう一機、反応があったような気がしたんだが」
「こちらでは確認されていない。気のせいか、レーダーの不良だろう」
マリンの機体は陸上に居る。この三機以外に反応があるとは到底考えられない。
「…いや…まただ」
先ほどは一瞬だけレーダーに反応があったが、今度は確かな反応だ。
「…こっちのレーダーでも反応した?」
烈火のレーダーにも熱源反応が確認される。
「不良で無いとするば…、マリンか?」
烈火が回線をマリンの機体に繋ごうとした時、前方から何かが爆発したような重い衝撃が伝わってきた。
「うぉっ…ぁ!!?」
ホーリーの叫び。
「…何だ?どうした」
烈火は何が起こったのか、判断に困る。
「わかんねぇ…!何か…右腕が爆発した!」
「なに…!?」
烈火は、まさかと思う。
「ホーリー!早く上に上がれ!『あれ』は敵だ!」
確信は無いが、ホーリーを急がせるには充分な理由だ。
「くそっ…!」
ホーリーは悔しそうな表情で吐き捨て、腰のスロットルレバーを引く。
背面に背負われたブースターが噴射し、ホーリーの機体は上昇していった。烈火も、後を追う。
水面から勢いよく飛び出してきたホーリーと烈火の機体を見て驚いたのは、マリンだった。
「…どうしたの!?」
二機は、倒れ込むように着陸していった。ホーリーの機体の右腕は無く、間接部分は火花を散らしている。
「マリン、危険だ。急いで本部に戻れ!」
烈火は、近づいてくるマリンを制す。
「え?何で…?」
理由を説明する必要は無かった。
水中から、水しぶきを上げて飛び出してきたのは、SWに酷似した、武装された機体だった。